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菅野所長のエッセイ:眞紀子の再来

このところ色々なことがあったな。

すい臓ガンになった友人の手術が成功したという連絡は何よりめでたい。すい臓ガンは生還率がひじょうに低い。本人もあきらめかけたというが、やはり持ってる人は違う。

僕は健康には無頓着だが、疲れから風邪を引いてしまったようで、喉と鼻がやられている。学会があり、宴会や炎天下でのゴルフがよくなかった。夏風邪はバカが引くとか、バカでも引かないとかいうが、どちらにせよ圧倒的なバカぶりを証明したのかも。薬を飲んでからだいぶ楽になったし、今日は、咳がまだ残るけど、明らかに体調、気分が上向きだ。それだけ昨日までは具合が悪かったんだなと思う。

そうこうするうちに都知事選も終わった。その直前に僕が思っていたのは、やっぱり今回も不毛の選択ではあるなということだった。

結果、小池百合子の圧勝だったが、都民の半分は女性だし、パフォーマンスは他の二人と比べて優れているしで、終わってみれば順当だったのかもしれない。最初はダメだろうと思っていたけどね。しかし、選挙が進むにつれ、小池はあの田中眞紀子を彷彿とさせる迫力を身にまとっていった。自民党を離れ、敵にし、「私には戻るところはありませんが、目指すところはあります」といった台詞はまさに田中眞紀子のそれである。
それに都民の多くは自民も民進にもNO!を叩きつけたかったわけである。そうなると小池以外に選択肢はない。僕は小池が都知事としていいのか疑問だが、とにかく増田にならなくてよかったと思う。

ちなみに、増田は石原慎太郎のせいでかなりの票を失ったことだろう。貧困な精神の持ち主は貧困な言葉しか持てない。石原慎太郎の侮蔑発言の底にある精神性は、おそらく相模原の大量殺人事件とつながっている。この事件は、ヘイトスピーチなどの差別主義、優性主義の台頭の延長にある。そして尾田栄一郎が描いたように、その強烈な差別意識には根拠などない。
石原もまた、「厚化粧」の何がいけないのか、「大年増」の何がいけないのか説明できないだろう。都知事時代、息子を海外視察に連れて行ったり、その作品を使ったりの何がいけないのかを説明できないように。ま、本人はサービストークのつもりなのかもしれないが、でもその精神は卑しいよね。

ちなみに、リオに行く小池百合子ご一行の予算は5人で1000万。舛添はこれに6900万の予算を計上していたとか。やはり節約しようと思えばいくらでもできる。その潤沢な甘い汁を吸えなくなるんじゃないかと、都議連はまっ青だろう。

この金の使い方は「薄化粧」だと新聞がうまいこと書いていたな。

そのオリンピックだが、ロシア選手のドーピング問題は奇妙な結論となった。IOC会長とプーチンとの間にどのような取引があったのか、かなり暗い闇が立ちこめている感じだ。

もっとも嫌なことは、このドーピング問題を告発した選手、ユリア・ステパノアが出場できなくなったことだ。この選手は、ロシアではなく、オリンピック旗下の選手として出場できることになっていたのだが、プーチンが「絶対出すな」とごり押ししたのであろう。これを呑んでしまうバッハ会長とはいったい何なのだ。もともとプーチンとの蜜月ぶりは知られるところだが、あまりにあからさまな圧力はやはりKGB的だ。

KGBが大統領だから、国民も国民。翼賛マスコミに乗せられ、ユリア・ステパノアを裏切り者と批判する。で、ロシアにいられないユリアは世界を転々と逃げ回っている状態。 しかも、今年の2月には、ロシアの反ドーピング機関(RUSADA)の幹部2人が謎の死を遂げている。ほぼ中国、北朝鮮のようなありさま。この国は何十年経っても「寒い国」のままだな。

企業でも行政でもそうだが、告発者は守られなければならない。それが組織を健全化するあり方だからだが、ロシアや中国、IOC,FIFAなど、健全化からはほど遠いし、近年の日本もそっちのほうに進んでいる。そういうのが嫌なんだよね。そういうことで、旧体質を受け継ぐ増田が当選しなかったのはよかったなあと思うのである。

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