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菅野所長のエッセイ:驚きの1週間

 今週はびっくりすることがたくさんあった。

 デミ・ムーアにまた若いツバメができたなんてことはさておいて、何と言ってもスペイン戦の勝利である。相手は王者、間違いなくボコボコにされるだろうな、かわいそうだが、そういう惨めな経験も彼らには必要だろう、ひとつそこを冷静に観てやろうなどと思っていたがさにあらず。個人の技術じゃ全然かなわないが、チームが一丸となるとこうも強いものかと思ったね。

 個人的には永井である。走力95点,技術5点、かつての野人・岡野よりは少しマシみたいな選手というイメージだったが、実は最近の名古屋グランパスでの働きぶりとだんだん上手くなっていくのを観て「ひょっとしたらコイツは化けるかもしれない」と思うようになっていたところである。もちろんテクニックはまだまだだが、それでも1年前よりは随分いい。それがレッドカードを引き出した。おまけに、「そんなに走って90分持つのかよ?」と思うくらい前線でボールを追いかけ回したね。このスピードはスペインには驚異だったろう。永井に引っ張られたのか、東も清武も最後まで追っていた。彼らのこんな姿は観たことがない。このところ低調だった東も、このがむしゃらさでレギュラーを再び不動にするかもしれない。

 たとえこの試合に負けたとして、僕は満足だったろう。ああいうファイティングスピリットを見せつけられたら何も文句は言えない。実際、最後まで全力でプレッシャーをかけ続けた日本チームには会場もすごい拍手を送っていたよね。

 しかし、大津、酒井の負傷。代償は小さくなかったね。しかたないけど。大津が無事だったら、11対10の試合である。後半、もう1点とって試合を終わらせることができたはずだが。ま、しかし、谷間の世代と言われる彼らも自分たちはどうしなければ勝てないのか、それが少しわかったのではないのかな。技術で劣るなら走り勝つこと、格好良いサッカーをしようなどと考えないことだ。

 ただし、スペインに勝てたのは、スペインがきれいなサッカーをしてくるチームだからということも大きい。ロングボールで攻めたり、フィジカルでガツガツ来るようなチームには弱いからね、日本は。男女問わず。アトランタのブラジル戦、今回とそういうチームには善戦できる。だから、モロッコ、ホンジュラスは実は危険な相手。昨日のサッカーがまたできるかどうか。くれぐれもかっこよくなんて思うんじゃないぞ。

 その点では、なでしこのほうが僕は心配である。大きな希望は澤がほぼ復活したことで、先日のMVPは間違いなく澤だろう。だけど、他のもっと若い選手が澤のようなガッツあふれるプレーをしているのかというと、そこが物足りない。カナダクラスの相手なら、3-0くらいで勝たなくちゃ。宮間はパスミスとボールを奪われてばかり、鮫島も近賀もあいかわらずだし、坂口もダメだし。岩清水が戻ってDFはよくなったが、W杯時以上のチーム力にはなっていない。熊谷と、大儀見が少し伸びた程度。これはちょっと厳しいな。できるだけ澤にボールを集めて、それを起点に始めるようにできればいいと思うのだが、しかし、それではマークが集中するか。
 いつもと違って、今回は男子の試合を見習って欲しい感じ。ま、予選は通るだろうが、フランスあたりと当たると大変だ。キャプテンは宮間だが、結局やはりみな澤の背中を見て奮い立つことが必要だ。それにしてもこの人は偉いなあ。プレーだけじゃなく、すべてにおいて。女子のキング・カズ。クィーン・澤か。

 ああそうだ、イチローの電撃移籍、松井のクビと、野球でも大きな出来事はあったが、まあかすんでしまったね。そもそもイチローは遅きに失したし、松井はあの成績ではしかたないでしょ。

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