菅野所長のエッセイ:専門家という弱い立場


福島原発のときもそうだが、一見は天災と見えてもその実は人災の部分が大きいことはよくある。ダイヤモンドプリンセス号の船内パンデミックにしても、よく知らないときには、そこそこがんばっているんじゃないかと思い、外国の批判も的外れではないかと思っていたのだが、神戸大学岩田教授の告発によってやはり役人の無知、無能によって拡散したという疑いが濃厚となった。救援に入った役人二人が感染したという事実がそれを何よりも物語っている。
一般的には、役人が専門家を軽視するというのは理解されにくいかもしれないが、彼らにとって重要なのは、専門性がどうというよりも、命令系統として自分よりも上にいるか下にいるかだけなのである。
昔、ある行政団体と仕事上の話をしたとき、メンタルヘルスのことなどまるでわかっていない人間が担当となり、しかも、こちらの言うことには耳を貸さないという態度に出会った。まだ30代か40そこそこの、僕から見れば若僧なのだが、その尊大さと言ったらない。
で、言っていることは、専門知識の多寡とは関係なく、論理的にむちゃくちゃな感じなのである。しかも、バカのくせに、自分が頭がいいと思いこんでいるフシがあるのだ。もう呆れてしまって「こういうところとは仕事しないほうがいいですよ」と営業の人に伝えた。つまり、岩田教授のように、深くかかわるほど憤りを覚えることは明らかだからだ。しかし、それでは商売が成り立たないところもあるので難しい。案の定、岩田教授は1日で船を降ろされ、今後政府絡みの仕事は一切来ないだろう。ANAホテルも今後の圧力にどう戦うのか。
能力には関係なく、自分たちに都合のいい人材を起用する、そういうことはよくある話で、組織の内部性の観点からはすべて否定されるものでもない。しかし、こうした緊急の事態では違うだろう。今の政府は観光を重視しているけど、諸外国は日本は危機管理がなってない、危険だと評価しているわけで、これが観光客の減少につながるということもある。近くの中国で起こったからという不運では片づけられないし、パンデミックのせいだからしかたないで済ますならば政治家など不要だ。内閣の対策会議では、小泉を始め、会議を欠席して地元民のご機嫌取りにいってるのが発覚。小泉あたりがいたところで何の役にも立たないのは確かだが、会議にくらいには出て座っているのが常識だろうに。厚労省だけでなく、環境庁、国交省などかなり縦断的な案件であるのだから。
都合のいい人材という意味では、検事長の定年延長というのは、あり得ない禁じ手だ。モリカケ、「桜」と続く首相の違法行為だが、今度こそは逃げ切れないかもしれないと感じた首相は、あろうことか検察人事に手をつけ、この危機を乗りきろうと考えたわけだ。その過程もまた例によってめちゃくちゃだから矛盾が噴出している現状である。こんな状況にあって、当の黒川検事長も自ら定年で辞めるとは言わないものかね。法の番人という自覚はないのかな。ま、類は友を呼んでいいるということだが、ここまでやってしまう権力者というのは日本では初めて見たね。というのも、ひとえにマスコミの弱体が影響してるからだろうなあ。マスコミの責任も重大だよね。

さて、一方で、この季節にしかないGⅠがフェブラリーS。なので久々の競馬予想だ。本命は⑫モズアスコットとしようか。対抗ももちろん⑤インティ。この2頭は強そう。割って入る可能性があるとすれば②アルクトスと⑩ノンコノユメか。