菅野所長のエッセイ:変わるべきはどっち?


最近は夜が涼しいのでよく眠れるのが嬉しい。

先日ソウルで日本人女性が暴行を受けた事件があったが、これに対して韓国での反応はほぼまともなものだった。政治的には反日、嫌日が多数派のようだが、それでもこういう暴力はいけないと、これはこれ、それはそれという識別がなされている。軍事、経済的には報復措置をとるけれども、国民感情はまた少し違うわけだ。もともと韓国での反日的な感情は安倍政権に向けられているものであって、日本人そのものをものすごく嫌っているわけではない。それはたぶん、日本人も同じだろう。が、むしろ、互いの政権のほうが国民を反日、嫌韓にあおっていたり、そうなることを望んでいる印象が強い。
文大統領も安倍首相も、そしてトランプもだが、結局権力者としてのメンタリティは寸分違わない。彼らは自分の理想のために世の中を変えようとする。反日も、軍事化も、自国保護も、自分の考えは絶対に間違っていないという妄念とともに。企業でも、行政体でも、あるいは学会でも、みなそういうことをやるよね。

でも、基本的な認識が間違ってるんじゃないの? 自分のためにではなくて、世の中のために自分を変えきゃ、組織のために自分を変えなきゃ。僕なんかは、資質的には彼らと同じで突き進んじゃう暴君タイプだが、そこは自分をずいぶん変えたもんだが。えっ、そんなふうには見えない?  そうならば不徳千万、情けない。

まあとにかく、韓国の政治状況はなかなか大変なことになっていて、文政権もまったく不安定なものになった。やっぱり、大統領制というのは、民主主義の中に仕掛けられた独裁制という感じで、あまりよくないのではないか。しかし、中国と一緒で、歴史的な文脈からするとなじむのかもしれないがね。

もっとも大統領制ではない日本でも、今ややりたい放題の状況。しかし、前提としてはアメリカの属国という枠内に過ぎないとも言えるのだが。空母化させた「いずも」を最初に使うのがアメリカ海軍と聞いてまたもや呆れ、関税では言いなり、北のミサイル実験にも、アメリカに届かないやつならと意に介さず、トランプはこれを擁護。首相はただ黙り込むだけ。ガキの使いか? まあ、1948年以来の自民党の成り立ちからして、半世紀以上もこうなのだった。この国が自立するのはいつのことか。