菅野所長のエッセイ:湖の涙


いやあ、先週は木曜から出張に行ってたんでコラムを書けませんでした。
行ったのは松江なのだが、島根に行ったのは20年ぶりぐらいだろうか。出雲空港からバスで30分くらいくらいだからそこは悪くない。米子からも近いし。街の感じは、今なお昭和って感じだね。それから中国人がほぼいない。観光地としては今どき珍しいのではないか。もっとも出雲大社のほうにはいるのかもしれないが、市内のタクシーの運ちゃんは中国人はほとんど来ないと行っていた。

当日は、午前中に時間が空いてたので、松江城見物。松江はたぶん航空法上建築物に高さ制限があるので、ここの天守閣が最高らしい。が、街中にある城なので10~12階建てのビルの屋上くらいだろうかな。松山城のように山の上にあるわけではないので、さほどのことではない。そういうわけで下々を睥睨するようなものではない地味な城だがいい感じである。しかし、天守に上るのはけっこう大変。急な階段を何回も登るので、ひじょうに短時間で筋肉痛になってしまった。ゴルフとは違い、ふだん動かさないような筋肉を動かすからだろうね。

あと、松江は食べ物がいい。やっぱり、のどぐろ(赤ムツ)はこの辺りに限るな。と、これは海のものだ。

宍道湖と言えば、シジミは圧倒的に日本一のうまさだと思っているが、それも、かつての建設業界優先による干拓事業により以前のようなおいしさはない。今回宍道湖のウナギを楽しみにしていたのだが、痩せた味にがっかりした。やはり日本一と言われるスズキにしても、今回は食さなかったが、同じ憂き目に遭っているのだろう。もう昔のようには戻らないのだ。
松江が観光地としてもうひとつなのは、この影響も大きいのではないだろうかと感じた。行政と土建屋との結託により、もっとも大事なものが失われる。僕は単に自然を保護しろとか言っているのではない。自分たちが栄えるために何が必要なのかを見極められない暗愚さを問いたいのである。
逆に言えば、反対する人間もただ自然を破壊するなどと言っているだけでは愚かすぎる。それによってどれくらいの損失が出るかをシュミレーションし、それをベースに戦うべきであろう。

と、いささか単純な物言いだったね。

でも、中国人観光客の喧噪から逃れたいなら、松江はお勧めであるとだけは言っておこう。のどぐろはこの辺りので獲れるものが最上だし、寒くなるとずわい蟹がうまい。あと、意外におでんがおいしかった。これはあご出汁のおでんなのだ。日本海側はあご出汁が多いんでね。きっとお雑煮もそうなんだろうな。ちくわやかまぼこにも使われている。また行って、今度は大きなサイズののどぐろと、あのおでんを食べてみたい。