菅野所長のエッセイ:ツール始まる


このところ、7日のうち2日はひどい不眠だ。夏場はもっと眠らないとなあ。

都議選は都民Fの圧勝、自民の惨敗だった。都民の声は国民の声。都議選の結果はいつも国政選挙につながるので、次なる自民の惨敗を見えてきたか。さすがに、皆呆れてるんだよね。

先週からツール・ド・フランスが始まり、毎日楽しみがあっていい。

今年は波乱の幕開けと言っていいな。初日のタイムトライアルでは、雨で滑って転倒が続出。中でもチームスカイの対抗馬であるモビスターのバルベルデは柵に激突してそのまま大会棄権となってしまった。バルベルデは春のレースで連勝したりと絶好調だったのにねえ。何より痛いのはモビスターのエース、キンタナである、超強力なアシストを失い、今年の雪辱はお預けだろう。

それから衝撃的だったのはサガンの肘撃ち失格事件。第4ステージでの最後のスプリントで、自分の右に出てこようとしたカベンデッィシュにエルボーをかましてしまった。カベンディッシュは柵に激突して骨折、リタイアの憂き目。ふだんこの二人は仲がいいということだが、いったい何が?  ま、サガンはあまり行儀のいい走り方をする選手ではないからな。しかし、バカをやったものである。平坦ステージではつねに優勝争いをして、第3ステージは優勝しているのに。平坦ステージ、スプリントは今のところキッテルが2勝。かなりの好調である。

木曜は、今後の総合勝負を占う山岳の第5ステージ。これがチョー面白かった。まずは、リッチー・ポート擁するBMCが、本命スカイに真っ向勝負を挑む隊形で、メイングループを引く。もう観ているだけでワクワクする。ポートはかつてフルームのアシストだったが、今はBMCのエース。かたやスカイはBMCの後ろで王者フルームをしっかりと護送。そのアシスト陣の顔ぶれがすごい。他のチームならエース的な存在ばかり。
とくに新加入のクヒャートコースキーは、残り4キロくらいから先頭に立って坂を登ると、敵チームは追走一杯、下手をすると味方さえもついていけないくらいのハイペースを刻んだ。こうなると、バルベルデのいないキンタナは苦しく、このままではフルームの楽勝かなと思われた。
が、しかし、ここで意外な伏兵。といっては失礼だが、チーム・アスタナのエースであるアルがものすごいアタックを見せて、単騎集団から抜け出す。アスタナはニーバリが抜けたりして今年は弱いと言われていたが、ジロ・デ・イタリアを無念の欠場のアルはツールに向けてコンディションを整えてきたのだろう。もとよりアシストも期待できず、たった一人で勝負に出るしかなかったわけだが、それにしても脚の違いは一目瞭然。身体がキレッキレッ。誰もこれを追えず、そのままゴールに飛び込んだ。意外なことにツールのステージ優勝は初らしい。

後続集団はもうバテバテ。最終的にはフルームがしぶとく3位に入り、タイムトライアルで稼いでいたので、6日目からのマイヨジョンヌとなった。フルームに勝負を挑んだポートは4着。僕が今回ひそかに応援しているバルデは5着だったが、まだちょっと力が足りないかな。
この日のレースを見るかぎり、フルームが総合優勝するための最大の難関はアルではないか。イタリア人であるアルは、本当はジロに出たかったわけだが、結果的にはツールの2連戦にならなかったのが良かったということだろう。ジロに出た選手はツールでは走らないのが定説。それくらいグランツールというのはきびしい戦いなのである。

こういうことを考えると、宝塚記念で大本命キタサンブラックが大敗した説明にはなる。つねにGⅠでの激闘を続けているキタサンであるが、休養をはさまないスケジュールでの第3戦目では勝てないらしい。馬は言葉を話せないからわからないが、どこかで身体にダメージが残っていたとも考えられるのだ。僕なんかも、まだ北海道からの疲れが抜けてないような感じがするものな。とにかく、こういう年だし、休養するに越したことはないのだな。

アルの存在でがぜん面白くなった今年のツール。去年はまるでダメだったのにね。この土日は山岳2連戦。とくに日曜は超級の山岳が3つというとんでもなさだ。ここでまたアルが激走すれば総合の行方も混沌としてくるな。