菅野所長のエッセイ:戦略の嘘


将棋の藤井君が29連勝の新記録。すごいものである。先日は対局をライブで観たのだが、相手が序盤で1時間20分の長考で三六歩と仕掛けてきたら、藤井君もまた数十分の長考。なかなか進まないので、二人が頼んだ昼食を取り寄せて解説者たちが試食するというアホな企画もすっぽりと収まる。がんばって2時間くらい観たが、盤面が動いたのは双方一手ずつ。このままでは藤井君が劣勢になる感じだったので、どういう妙手を打つのか興味津々だったのだが、さすがにそれ以上観る忍耐はなかった。
結局、投了までに11時間以上要したわけだから、最後まで観るなど不可能だな。30分くらいにまとめたものを放送して欲しいものだ。

にわかに活気づいた陸上短距離だが、前にここで言ったように、10代のサニブラウンが外国修行の成果を見せて頭ひとつ抜け出した。桐生だ、ケンブリッジだと言っていたところが、追い風ながら9秒台を出した多田、そしてサニブラウンと新勢力が台頭。8月の世界陸上が楽しみである。400リレーでは下手をするとアメリカに勝つかもしれない。

こんなふうに若い力が出てくるのは気持ちいいが、政界ではその逆。いわゆる安倍チュルドレンたちが次々ととんでもない恥をさらすし、首相ののペットみたいな稲田防衛相などは相も変わらぬとんちんかん。下村元文科大臣までが加計との癒着疑惑。血迷った首相は、加計だけでなく、獣医学部をいくらでもつくったらいいと発言。それじゃ特区の意味の根本否定だろと、誰でも分かる幼稚さを晒す。NYタイムスが、「トランプのついた嘘」という特集を組んだが、日本でもどこかがまとめたらいいな。「一点の曇りもないプロセス」なんて、よく言うよな。

で、加計学園についてだが、よくよく考えてみた。そもそも「国家戦略」として獣医師を増やそうというのがあまりに狭小なテーマなのではないか。根本はここから始まっているんじゃないのか。たとえば、伸び悩む農業に代わって、全国規模で畜産を拡大していこうというような、それこそ大きなテーマがあって、そのために獣医学部を新設していくとうことなら十分に「国家戦略」と言えるのではないか。
所詮、現政権にはそういうプランなどないから、ただお友達を儲けさせようとなり、その名分を無理矢理につくったということになってしまう。会社なんかもそうだね。ただ儲けるだけの目的では破綻するわけよ。あいかわらず竹中平蔵あたりがブレーンじゃね。幼稚な大人の集まりということだな。だから森友の理事長とかもすり寄ってくるんだろう。

ま、そういう話は気持ちが萎える。そういえば明日からはツールドフランスがはじまるのだった。今年はジロ・デ・イタリアの放映権をJスポーツが取られちゃって、観られなかったからなあ、これが最初のグランツール。前哨戦では王者フルームがあまり良くないように見えたが、はたして。