菅野所長のエッセイ:カタロニア讃歌、今昔


2017.10.13

この年になってようやくなのだが、コツコツやることの意味と大事さが分かってきたような気がする。

今やっている仕事なのだが、以前なら1週間以内、下手すると3日くらいで軽くできるようなものだ。それを今月いっぱいを目標にして、毎日少しずつ書くようにしてきた。すると、徐々にできあがっていくもので、これで3分の2くらいはできたかな。

部屋の片づけや掃除というものもそうだ。こちらも一気にやろうというのはやめて、時間が空いたときにコツコツ、少しずつやっていると、やはり次第にきれいになっていく。この間などは、出勤の直前になって台所の汚れが気になり、これくらいはやっておこうと作業に取りかかり、結果大汗をかいてしまった。

いずれも、当たり前の話だろうが、自分にとっては初めての経験だ。不思議な感じさえする。

これはよいことだな。つまりは、ちょっと量のある、とは言っても30枚分くらいなのだが、原稿仕事を3日や1週間でやるだけの力は、自分にはもうないことを悟ったのである。もうできないのなら、残された道はコツコツやることだけだ。

いままで、全般にわたって、そういう生き方をしてこなかったなあ。それは、ギャンブル依存的な性質からくるのも大きいかもしれないが、ひとつにはやるだけの力があったからだろう。でも、月日は残酷というか、別に残酷なわけじゃなく世の習いに過ぎないわけだが、次第に能力は失われていくものだ。

思えば、いろんなことについて、こんなふうに自分はダメだと思うことで、僕の場合はわりとマシな人間になっていったような気がする。自分がバカだとわかったときとかね。
そういうわけでこれからはコツコツやるようにしてみたい。もっとも、仕事の場合は断ればいいんだがね。

こういうのはある種の自己理解ということになるんだろうが、それとは縁のないのが政治家のような権力に魅入られた人なんだろうな。そこは違うよな。僕はただ自由に生きたいだけなんだ。

で、選挙のほうだが、小池百合子が勝負に出なかったために、希望はしゅるしゅるとしぼんでいる感じで、その反動か、意外や立憲民主党の評判がよく、献金が続々と集まっているそうだ。政権打倒のために大同団結さえすればこの勝負は野党側に分があったと思われるが、小池の独裁気質がそれを阻んでしまったようだ。自民党にしたって右派も左派もいるのにね、自分に反目させないよう、より右派だけの集団にこだわってしまった。読みも甘かったが、器の問題もあるな。

 しかし、調査によれば、絶対に投票に行く人が46%とか。これに浮動票が20~30%加わって投票率が高まれば自民も危うい。しかし、若い人ほど関心がないというのが悲しいねえ。
そういえば、カタルーニャの独立をめぐってスペインがきな臭くなっている。独立を認めない政府側の恫喝は米朝の言い合いなどよりもリアルである。昔々、学生運動が盛んだった頃、ジョージ・オーウェルの「カタロニア讃歌」がバイブルのように読み上げられることがあった。当時からカタルーニャは、民族の独立と圧政の象徴だったのだ。その悲願はまたもかなわないのだろうか。人々が自由に生きるのを嫌う人もまたいるわけだが、他者を圧して手に入れる自由というのは何なんだ。

さて、コツコツやるのは日常でのことで、競馬で一発逆転を狙う姿勢だけは失われていない。ほんとにバカだ。毎日王冠はせっかく2着のサトノアラジンを本命にしたものの、安めに入ってしまってガミだった。もっと徹底しないとダメだな。
今週は秋華賞。一番人気かもしれないが①アエロリットが本命。対抗は⑦リスグラシューと④モズカッチャン。3番手に②ラニットラン⑭ディアドラ。堅い決着では?

菅野所長のエッセイ:甘い罠


2017.10.06

今週はどうも睡眠がよくないので身体がきつい。
今年締め切りの仕事を今月中に終わらせてしまおうと考えているのだが、以前のようにはちゃっちゃといかないのである。それが気になって眠れないのだ。前なら1週間くらいでできるのになあと思うと、それもまたふがいないし。まあ、しかたないか。涼しくなったのはいいんだけどね。

小池か安倍かの選択選挙になるのかと思われたが、都知事は不出馬の意向であるという。意外と反発が大きかったからか、そして過半数を取れそうもないと思っているからなのか。都議2人の離反もあり、足下も揺らぐしで、どうも形勢はよくない。都知事、総裁、どちらも失ってしまう不安の渦中にあるのかもしれない。ちなみに都議の離反は正当だ。小物だから影響は小さいけど。

小池、安倍、どちらも独裁タイプなのはどうかと思うが、あらゆる面で、能力的には小池が圧倒していることを思うと、選択選挙になってほしいのだがね。これでは安倍政権の信任選挙にとどまってしまうぜ。しかし、まだどうなるかわからない。彼女は、状況を冷静に見てるんだろう、今のところは。
とにかく、旧民進、共産の票は望めないにしても、数合わせであっても200人くらいの候補が出ることだし、浮動票がどう動くかにかかっている。はたして大きく動くかどうか。大阪維新のときくらいの票数は最低あると思うが、それじゃ政局は動かないしね。

イメージとしては、関連会社を束ねる本社の社長が安倍、同族企業の社長が小池という感じだな。どちらもワンマンで、民主的という言葉はよく知らないようだが、要するにベストを選ぶわけじゃなくて、ベターを選ぶ選挙。民進の解体によって、今後長い間、われわれはそういう選択をしていくことになる。

先日、新潟県で、選挙によって原発誘致をやめた巻町のその後、誘致した柏崎のその後についてのドキュメンタリーを観た。柏崎市では、巨額の原発マネーが毎年降りてきて、その後他町などを合併しているにもかかわらず、人口の減少が止められない。あらたな事業を始めるも失敗し、原発関係施設の維持費に苦しんでいる。つまり原発によって繁栄などしていないのである。言っちゃあ悪いが、貧しいからと言うよりも、知恵のない行政が原発を呼び込み、そしてそれに依存し、前にも増して廃れていくという構図はたぶん柏崎だけではないんじゃなかろうか。
安易な誘惑に気をつけなきゃいけないのは会社も同じだな。
本気かどうか知らないし、その本当の意味を分かっているのか疑わしいけど、「原発ゼロ」を公約とする小池新党のほうがまだいいんじゃないかと、この番組を観て再度確認したのであった。何より今の政権は嫌いだし。
さて、先週のスプリンターズステークスはやっぱり難しかった。あんなのはとても当てられない。凱旋門賞は、本命エネイブルの強さが際立った。そして日本期待のサトノダイヤモンドは予想通りの惨敗。馬券は取ったがガミガミだった。
今週はGⅠはないが、豪華メンバーのGⅡ毎日王冠。調教を見たら⑫サトノラーゼンがすばらしく、これを本命としたい。春に念願のGⅠを取って一皮むけたのではないか。それでも5~6番人気のようだし。①ソウルスターリングとの3連単マルチが本線。相手は②マカヒキ④アストラエンブレム⑦グレーターロンドン⑧リアルスティール。

菅野所長のエッセイ:仁義なき戦い


2017.09.29

衆議院選は大変なことになってきた。ここで前に書いた知事の都議軽視も、こういうことから来ていたのかと納得。それがいいというわけではないが。

しかし、動画を観ると、都知事選で圧勝した直後からこのシナリオが動き出していたことがわかる。民進党ののごたごたに乗じ、モリカケから逃げようとした安倍の「大義なき解散」だったが、その目論見もどうなるかわからなくなったね。それに対抗するすかさずの新党結成、このような日を想定していた読みは、それ自体は見事なものであり、彼女の政治センスの証明でもあるだろう。衆議院選出馬も含め、手の内を見せないのは政権をひっくり返すためには正しい戦略である。
まあ、みんなが一杯食わされたということだな。細野、長島の入党なんかは、民進右派の先遣隊として送り込まれていたという説は正しかったようだ。

小池対安倍、この勝負はどちらが勝つのか? 都知事選での圧勝を観ると初の女性首相の誕生もあるかと思わせるが、世間では「二足のわらじ」は無理とか、都民への裏切りであるとの声も強い。なんだな、これは日ハムの大谷君に対して、当初みなが二投流はやめなさいと言っていたときに似てるな。僕は完全に二投流支持だったが、彼女にやる気があるならできなくはないと思っている。そんじょそこらのタマじゃないよ。もっともやる気はなさそうな感じだが。

しかし、政策的にはたいして変わらない。「原発ゼロ」なんてのも怪しいものだし。しかし、もはや、社会主義の幻想が崩壊してからこっち、「保守対革新」の政権交代論なんてありえないわけで、保守の中での僅かな差別化しかない。今回も政策が問題ではなく、小池と安倍のどっちがいいと思う?という選択をする選挙だ。厚顔にも、都知事の椅子を踏み台に首相を狙う小池と、卑怯にもモリカケから逃げたい安倍。
共通するのはどちらも独裁を本質とすることだ。どっちの独裁がいいの?

唐突な解散でもう逃げ切ったと思った安倍だったが、むしろそれによって国民の不信は膨らんでしまった。その状態で選挙に向かわなければならないのだからつらい。いくら相手へのネガティブキャンペーンをしても、お前の口が言うかと思われるのではないか。つまり自業自得っていうんだな。

まあとにかく、良くも悪くも、小池百合子は政治家として戦後最強の大物かもしれない。と、今回のことで思うようになった。小物感をいつも発揮してしまう安倍とはまるで格が違うな。お爺ちゃん、お父ちゃんと続く政治家一家のぼんぼんと、自力でここまでのし上がってきた者との違いとも言える。英語は堪能だし、外交ではかなりの力を見せるのではないかと思うが、いかがなものだろうか。
さて日曜は久々のGⅠスプリンターズステークスである。もう本命不在の混戦。どの馬も3着にしか来ないような気がする。自信ないけど、僕がいいと思うのは③セイウンコウセイ⑦ダイアナヘイロー⑧レッドファルクス⑬ファインニードルの4頭かな。
そして同日はフランスで凱旋門賞がある。近年日本馬が活躍しているが、今年のサトノダイヤモンドは向こうの馬場が合わないようだ。トライアル戦を見る限り、残念だが勝ち目はないな。

菅野所長のエッセイ:リトグリの光と影


2017.09.22

やっと今週も乗り切った感じ。
考えれば、先週は、日曜から日曜まで4日半関西に行ってたんだよなあ。それも中2日をおいて。やっぱりそういうのは疲れる。

で、疲れているのに、今週はどうにも眠れない夜が多かった。何か不安なことがあるのかもしれないと思ったので、依頼原稿のネタを少々考え、少しずつメモに残している。何しろ、この業界で自分の書くものは他と明らかに異質だからなあ。共著ものだと気をつかってしまうのだ。

衆議院の解散。党利党略の皮をかぶった私利私欲だね。北朝鮮との緊張関係、内閣改造してまだ2ヶ月、解散はいつも使われる政略だとはわかっていても、あまりにも露骨なんじゃないの。こんな解散は今まであっただろうか。首相は国連で舞い上がって「圧力」オンリーと強弁しているが、韓国は一方で人道支援を宣言したり、アメリカ以外の国は外交解決を訴える。
皮肉にも、北朝鮮は安倍政権が生きながらえる最大のファクターだ。モリカケから逃れたい首相はできるだけ国民の目をそこに向けさせようとしているのだろう。しかし、トランプの尻馬に乗って調子に乗るとろくなことはないような気がする。ただ「俺はトランプだ!」と言いたいだけなんだからさ。

で、自民党はあいかわらずだが、いっぽうで都民ファーストのほうも、この間の代表の決め方は完全な密室で、都議たちの不信は明らかだ。もちろん、素人の集まりなんで、その中で選挙なんてことをしても意味はないのだが、決定のプロセスくらいは議員たちに明らかにしないとね。もともと烏合の衆なんだから、小池百合子の求心力が失われたら終わりだぜ。力を握ると、誰でもこうなる。トップにいる人間は、よかれと思ってやっているので、それが組織の終わりの始まりということに気づかない。

先日、リトル・グリー・モンスター、略してリトグリの武道館ライブをWOWOWで視聴。名前は知っていたが観るのは初めてだったが、なかなかのものである。ルックスは度外視、歌の実力だけで日本中から集められた10代の女の子グループだ。したがって並み以下の外見なのだが、AKBとかモー娘とか、その他のアイドル系なんかよりも断然よろしい。比較に意味はないけど。とにかく、日本のボーカルグループ史上で最強ではないか。古いし2人だけだが、これに匹敵するのはザ・ピーナッツくらいか。

アカペラ部以外ではハモは控えめで、サウンドに合わせたユニゾン基調だが、6人のうち4人はソロを取れるので、かなり多様多彩な音が出せる。この辺はアメリカのフィフスエレメンツとはちょっと違うかな。でも、リトグリも世界に手が届くレベルだ。しかも不細工でもスターになれるということで、たくさんの子たちに希望を与えているんじゃないのかな。

残念なことに明らかに歌唱力の劣る子が一人いたが、この子はほとんどバックコーラス。容赦ないが、しかたないね。先を考えるなら、いまのうちに辞めてもらうのがいいだろう。僕がプロデューサーならそうする。そして、僕がいちばん歌がうまいと思った子は、この4月頃によくわからない事情で脱退したらしい。何ということだ。日ハムから大谷がいなくなるようなもんじゃないのか。放送はそれよりも2ヶ月くらいのものだったので、それを聴けてラッキーだったかも。この子がいちばんR&B的な歌心があるんだよねえ。でも、ソロでは無理だろう。いろいろ事情はあったんだろうが、辞めなければよかったのにねえ。
どんなところでも、集団とかグループっていうのは大変だ。しかし、この子が抜けてからのCDは買う気になれんな。

菅野所長のエッセイ:珊瑚の助っ人


2017.09.08

今週は、何だか疲れが取れないのか、眠くてしかたがない。電車でついつい寝てしまってあわてて降りるというのが3回あった。朝の目覚めもなかなかきびしく、アラームが鳴る前に起きられないし。夜は涼しくていいんだけどね。まあ、そんなに大したことではないので心配なことでもないのだが。

毎週、週末からどこかに行くからだな。明日も、夕方から関西だし。これでいろいろと4週連続か。来週も大阪で仕事だが、今度こそ土日はのんびりしよう。やっぱり、新幹線とか飛行機でどこかに行くと疲れるんだよねえ。とにかく、来週が終われば一息つけそうだ。そうだ、来週は一日くらいしかTCCに来ないので、このコラムは休みです。

ラ・ブエルタは、まだフルームの優勝は確定ではない。もっとも大事な、超山岳の第20ステージは出かけてしまうので観られないのが残念だ。

今週は、また原稿仕事が入った。量は多いが、年内締め切りだから何とかなるんだろう。今はまだやる気が起きないけどね。自由気ままに書いてもいいような仕事じゃないもんで。着手は、早くても再来週だな。
それにしても、リタイアを考えることのほうが多いのに、このところ次々と仕事の依頼が来るなあ。釣りで言ったら「時合い」という奴だろうから、またパタッと来なくなるんだろうが。それはそれでいいんだけどね。仕事ならもう人の何倍もしてきたし。面接以外のことはちょこっとあればいいのさ。

それよりも、晩秋に向けて、TCCでは人を増やさなくてはいけない。今週は採用面接の週と言えたが、なかなかの人たちが来てくれて、それがとても嬉しい。11月からのことがとにかく心配だったのだが、何とかなりそうな感じになって来ているな。

サッカーでW杯出場はめでたかったが、最終のサウジ戦は、いくらアウェー、灼熱、メンバー落ち(とりわけ大迫がベンチ外)とは言ってもいただけない内容だった。とくに柴崎は、ことごとくパスを通せず、ちょっと使いものにならないのがわかったな。ま、大迫抜きでは、今の日本は点を取ることができそうもないが、本田、柴崎以外で中盤でボールをさばける人材がいないとねえ。清武はいったいどうしたのだ。

さて北朝鮮がいろいろやらかしてくれるが、中国が手を引かない限り、制裁の効果は期待薄だ。いまのところ、北朝鮮の貿易相手は90%くらいが中国らしいので、北と関係する中国企業は5000を越える。だから中国も経済制裁などできない。だったらどうしたらいいのかという問題になるが、結局武力以外だと、アメリカが金正恩の体制を守ると確約することだろうが。

と外政は行き詰まっているが、国内では民進党が致命的なダメージ。まあ、恋する女は嫌いじゃないが、もともとこの人は、お金の問題もあったり、匿名メールを国会質問の材料に使うなど、気持ちも脇も甘かった。いろいろ緩いんだな。昔から何でもうまくいってた類だろうから、そうなっちゃうのかな。しかし、民進にいたとてやがて沈む船なんだから、離党して、早めに立て直しを図るほうがいい。しかし、これは離婚ではないのか? 夫婦にどんな事情があるのか知らないが、旦那は許さないだろう、たぶん。いずれにしても、まだ6歳だという子どもが気の毒である。そのへんのこと考えないとね、大人として、親として。

最近いい話題だと思ったこともいくつかある。まずは、京都大学チームがダウン症の出生前治療の可能性を大きく開いたこと。すばらしいね。
一方、東京大学では、ポケモンGOを1ヶ月以上やるとストレスが軽減されると発表。これは、どうなの? ポケモンGOで引きこもりが外出するようになったという憶測はあったが。そもそもポケモンGOをやる大多数ってのは、僕らが認識しているような意味での深刻なストレスなんぞ抱えてないでしょ。これはアメリカでよくあるような、奇をてらったような研究だね。なぜなら、ポケモンでなくたって、1ヶ月以上何か面白いことに熱中したら、当然ストレスは軽くなるでしょ。研究費、つまり税金のムダだな。

そんな中、先日テレビの特集で、浮き橋の建築専門の人が、温暖化で死滅していくサンゴを救う方法を発見したというのがあった。何でも、自分の作った浮き橋にサンゴがたくさんついたのを見て、これは浮き橋に流れる電気が関係していると考え、そのような仕組みのフレームを海底に設置しているのだ。するとやはりサンゴがついてくるのである。本来生物学の人間がやるべきことで、しかも専門家にはまったくわからなかったことを土木の人が成し遂げようとしているわけだ。
だからといって生物学、サンゴ研究家は何やってんだと言う気はない。専門家だからこそ思いつかないことなんてたくさんあるわけで、これからは自分の視野を広くしようと努力すればいいんだよね。それをやらないことに批判を浴びるべきなのだ。心の専門家なんて言ってる輩も同じだけど。

あとはホンダの軽ジェット機の受注もすごく好調らしいし、こういうのを聞くと日本人の技術、知恵の底力を思う。日本経済が長らく低調なのも、カジノなんかに頼ろうとする、経済ブレーンの底の浅さから来てるんだろうなとつくづく思う。

菅野所長のエッセイ:フルームも自転車から落ちる


2017.09.01

先週の金曜は、電車に乗り遅れてはいけないとばかり思ってて、せっかく書いてあるコラムをアップするのを忘れました。すみません。

で、昨日はW杯出場決定という、久しぶりにめでたい出来事だった。しかし、実はすっかり忘れてて、家に帰ってしばらくして気がついた。まだどっちが勝ったのかも分からないうちに、日本の先発メンバーを見たら、乾と浅野がいるし、本田はいないし、念のためDFを見ると槙野がいないのでひと安心。やっとハリホジもわかってきたのかなと。

ダイジェストでしか観られなかったが、完勝だったようだね。オーストラリアは、ユリッチ、ケーヒルとかは途中出場だったので、チーム事情は相当悪かったのかもしれない。とにかくコンフェデ杯がピークだったのか、日本にはラッキーなところもあったと思える。前日にサウジが負けてたしね。
ま、とにかくよかった。これで本田、香川路線から脱することができるんじゃないか。
しかし、本戦はもっと相手が強いわけで、今の戦力では予選落ちが濃厚だ。井手口、原口のようなハードワーカーがもっと必要だし、何と言ってもDF陣の強化がいちばんの課題なのだが。世界相手にはね。

ゴルフでは、米国ツアーの松山がこの間まで賞金ランク一位というとんでもないレベルにいるが、最終戦とも言えるプレーオフの初戦はあえなく予選落ち。僕以外のゴルフ好きもみなガッカリしている。

しかし、しかし、すごい男が出てきた。柔道男子66キロ級の阿部一二三だ。まだ20歳だが、とんでもない強さ。あれは野村、古賀よりすごいな。世界でも”ワンダーキッド”と言われ、注目の的である。世界選手権決勝では、袖釣りでものの見事な一本勝ち。あれだな、マンガ「柔道部物語」の三五十五のようだな。柔道など知らない人でも、彼の試合は一見の価値があるよ。
ブエルタ・ア・エスパーニャは、あいかわらず王者フルームが好調で、10日目ではステージ優勝、翌日は2位である。フルームのステージ優勝というのはひじょうに珍しく、今年初のようだ。世界一のロードレーサーではあるのだが、総合優勝狙いだと、各ステージはライバルとの秒差だけに気をつけて走るからね。
でも、よほど好調なんだなと思わせ、今回もこれで万全、盤石と思ったところが、好事魔多し。第12ステージでは何と2度も落車するというアクシデント。幸い、大きなケガはなかったようで、その後がんばって多少遅れを取り戻し、20秒のロスで済んだけどね。でも、勝負事というのはほんとに何が起きるかわからない。

このとき、この日は本気では踏まない日だなと判断した僕は、後半、他の番組に浮気したりして落車シーンを観られなかった。VTRで二度目のを観たが、他との接触ではなく、単独で走っていてのスッテンコロリだった。フルームでもあんなことがあるんだなあと驚きだ。

あのフルームだってあんなふうに転ぶんだから、僕なんかがちょっと失敗したりうまくいかなかったとしてもまったく不思議ではない。「サルも木から落ちる」、「フルームも自転車から落ちる」である。松山だって予選落ちくらいするよな。彼を責めるのはよそう。

菅野所長のエッセイ:忘れられたエッセイ


2017.08.29

先週の金曜にアップするはずが、つい忘れてしまったので今日掲載。

今朝はミサイルで大騒ぎでそれどころじゃないけど。

 

いやあ、また暑さが戻ったけどねえ、でも、7月のほうがもっと暑かったような気がする。東京はそんなに湿気がないほうかな。

先週からブエルタ・ア・エスパーニャが始まったのだが、ちょうど出かけていたので、すごく面白かったらしい第3ステージを見逃してしまった。昨日はじっくり観たが、スカイのアシスト陣が弱く、フルームが独りで戦っていた。ツールでは調子がよかったバルデやアルーはもうひとつの感じで、フルームはツールよりも調子が良さそうである。今回はフルームと他のクライマーたちとの戦いになるかもしれない。
そして、チームスカイはあまりレースをコントロールできそうもないから、フルームもあまり時計の貯金ができない可能性もある。したがって、エース同士のガチンコ勝負がもっと観られる期待もあるな。

トレクに移籍したばかりのコンタドールだが、今回のブエルタをもって引退ということだ。ツールではなく母国で引退したかったということだろうが、しかし、ツールの時よりも調子がよく、昨日もフルームにガチンコの勝負を仕掛けていた。ツールでも何度かアタックしていたのだが、最後にはあえなく後方に置かれてばかりだった。でも昨日は、タイム差無しとはいえ、フルームに先着したもんな。僕も引退をするとなったら、火事場のバカ力みたいなものがでるのかしら。
それにしても、スペインの映像の濃さに驚く。太陽光線がフランスやイタリアとも違って、緑、赤、黄色が濃く、まさに原色の世界というかね。ああ、だから、スペインでは陰影の深い画風となるのかなあ。フランスみたいにくすんだのとは違ってね。

サッカーは、今月末にはオーストラリア戦があるな。これに勝てばW杯決定だが、オーストラリアのほうが強そうだ。本田はどうでもいいが、乾は呼ばれてるんだろうな。先日はBSでスペインのエイバルでレギュラーを確保した乾を特集していた。このところの乾はすっかり自信をもったようで、いいプレイをしている。とくにトラップのうまさはもう世界トップレベルだ。高校生のときからうまかったけどね。TVでは本人はあの頃は調子に乗って勘違いしてたと言っていた。
エイバルはバスク地方の小さな町だ。人口は2万5千人くらい。彼はスペインリーグでやりたくて、ブンデス時代よりもかなりの薄給でいいからと自らを売り込んだらしい。正解だったね。初戦のマラガ戦でも活躍してたし、このままだとビッグチームからのオファーも近いのではないか。
昔、マラガの町を散策したときには、こんな小さな町にプロチームがあるんだと、まだJリーグもない頃だったから感慨に浸ったものだが、調べるとマラガも人口50万人以上あって、スペインでは大きな都市のほうだ。でも、東京からいくとどこも小さく感じちゃうんだよね。そこへきて人口2万5千のエイバルだから。でも、昔「調子に乗って勘違いしてた」という彼はもういないんじゃないか。そういう選手だと思うから、代表でもレギュラーになって欲しい。
一方で、バルセロナでは痛ましいテロがあったりして、今年の夏、スペインはいろんな意味で熱い。

菅野所長のエッセイ:トランプだけに


2017.08.18

今年の夏は涼しいので過ごしやすい。とは言っても、暑くないと困ることもたくさんあるだろうから、それではいかんのだが。

日本では、内閣改造をしてほんの少し支持率が戻った感じだが、アメリカは落ち込む一方だ。KKKのシンパであることもまたまたダウンの要素となった。まあ、日米似てること。トランプ、安倍、金正恩、習近平とか、程度の差こそあれ、同じ人種という感じだな。

しかし、グアムを巻き込んで、にわかに緊張が高まった北朝鮮とアメリカではあったな。ポーカーに例えるなら、どちらも降りられなくなってブラフの掛け合い。
しかし、驚いたことには、ビビって先に降りたのは北朝鮮。こんな北朝鮮は初めて見たね。結果的に、大統領がトランプでなかったらこういう結末にはならなかった。別にトランプの駆け引きがうまいわけじゃなくて、北朝鮮の手が実はブタだったのがばれたということかな。これみよがしにグアムの米軍基地の写真を架けた部屋で会議をしている姿などをニュースで流していたけどね。
それをブラフを見抜けず、あの国ならやるだろうというわれわれの思いこみがあったわけだが、ほんとはそんなにやる気がなくて、逆に、北朝鮮側がトランプならやるかもと思ってしまったから弱気になったと。こうなるとポーカーには勝てない。

ま、そもそもトランプのほうが手(軍事力)がいいし、実は、いかれ具合も、金正恩よりもトランプのほうが上だったのかもしれない。加えて、「正義の」戦争は支持率アップに絶好だし。
来週には米韓合同軍事演習があるけど、北は手をこまねいて静観するだけなのか? ま、例によって勇ましいニュースは流すだろうが、一度ビビってしまうと効果は極薄になる。以前暴挙にでる可能性はゼロではないが、現時点で、この勝負はトランプの勝ちだな。まったく何が幸いするかわからないものだ。毒をもって毒を制するとはこういうことか。

勝負に負けたのは、全米プロゴルフの松山。途中では単独トップに立ったが、一緒に回ったのが天敵ジャスティン・トーマスだったのがよくなかったのか? 負けて涙を流している松山というのは意外も意外。ついでに7月に結婚してたというのももっと意外。

しかし、話題にもなったようだが、負けた後でのフジTVのインタビューはひどいものだった。僕はたまたま観てしまったのだが、観たくなかったね。「残念としか言いようがないんですけど」とか「何か足りなかったから負けたと思うんですけど、それは何ですか」とか、やっとのことで涙を堰き止めた松山としてはもう答えようがない感じで、敗者に鞭打つとはまさにこれ。3日目には、いいところで中継をやめるなどあったらしいし、フジはもうゴルフ中継やめなさい。

と、人の心が分からないインタビュアーがいるように、対人関係の研修後に自殺した新入社員の話も気の毒なことだ。すでに労災は決定、次に会社と研修会社、講師が訴えられたが、あいもかわらず世の中ではパワハラが減らない。ああいう研修会社というのも、僕らの目から見れば素人もいいところだからなあ。その会社のHP見たら、「講師募集」とかしてんのね。怖い怖い。

政府も「人づくり」なんてお題目を掲げてはいるが、首相を始めその本質などまるでわからない連中が考えているから、そこに利権を求める連中が群がって的はずれなことをやっていくんだろう。とくに竹中関連の会社とかね。

そうした世事をよそにして、月曜に「ボストン美術館の至宝」展に行った。ボストンは世界的な佳作の宝庫という印象を前から持っていたが、行って後もその印象は変わらない。アメリカでは屈指だろうが、何しろ歴史のない国だから、自国の「至宝」はないしね。若沖展と違って空いてたなあ。

僕の今回の主たる目的はサージェント。ほんとは「ボイト家の娘たち」を観たかったが、残念ながらそれは来ず、サージェントは2点。それでも、やはりヴェラスケスの影響は大だなと思う。2点とも「油彩」となっていたが、どう見てもアクリルが入っていると思わせる色遣いと照り加減である。たぶん純白な白を出したいからじゃないかと思うのだが、詳しい人に聞かないとほんとのところはわからない。しかし、この人は、油彩だけだとすれば、ほぼ「人真似」で終わってしまうな。アクリルを使うからこそサージェントだなあということでいいんじゃないか。

後は、酒井泡一と喜多川歌麿が並んでるのが興味深かったね。同じ花魁、美人画でも、泡一は、何て言うか、うまいけどリアルではないというか。歌麿はカリカチュアライズされているようでいてむしろリアルな感じがするのが面白い。あと、案外至近距離で絵が観られるのがいいところか。質的には箱根のポーラ美術館くらいだと思うのだが、戦後向こうに行っちゃった日本の絵がいくつか観られるのは、日本画ファンにはいいのではないか。でも英一蝶好きなんているのか?

ところで、シスレーやコローといった前印象派が並ぶ中、ブータンのベニスを描いたものがあった。実は僕の父親がなぜかブータンが好きで、欲しいというので、生前にこれを買ってあげたのだった(もちろん複製)。僕は別に好きじゃないのだが、親父は喜んでいた。しかし、当たり前だが、本物のほうがずっと風格があったね。ま、19世紀のフランス絵画は間違いないのだが。

菅野所長のエッセイ:観戦マニア


2017.08.12

前々から不眠気味だったのに、今週は世界陸上はあるは、全米プロゴルフはあるはで、毎日少しの間しか寝ていない。ま、しかし、その甲斐はある。陸上は今回、女子競技のほうが面白い。

女子1500Mには、何と800Mの王者セメンヤが参戦。女王でなく「王者」としたのは、この人はかつて女か男かで物議を醸したことがあるからだ。ごつくて、とても1500Mを走る体型ではないが、好メンバーが揃った決勝で怒濤の追い込みで3着。これなら専門の800は楽勝だろう。
僅差の優勝は五輪金のキピエゴンだったが、ラスト1周からのあまりの死闘にほとんどの選手がゴール後倒れ込んだ。あんな光景を見たのは、1968年メキシコオリンピックの女子800M以来だな。
女子200Mも面白かったね。僕の本命シュッキパーズが辛うじて勝ち、世界陸上2連覇となったが、もう少し身体を絞らないとこの先は危うそうだ。

サニブラウンはやはりまだ勝つまでの力はない。でもあの年だと、ボルトだって同じようなものだった。さらにフォームを改善できれば2020年には期待できるね。あとは男子400リレーかな、うまくすればメダルが期待できる。

それよりも男子ゴルフである。先週、メジャーに次ぐ大きな大会を圧勝した松山だが、好調が続いているようで、今週の最後のメジャー全米プロゴルフでは、2日目が終わって首位タイである。昨夜、この中継を雷雨中断までずっと観ていたのだからちゃんと眠れるわけがないね。でも、観ないではいられない。もしかしたら、日本人初のメジャーチャンピオンが誕生するかもしれないのだ。

松山の強さのひとつは鈍感力みたいなものかもしれない。先週の記者会見でもあいかわらず通訳頼みである。もう4,5年アメリカに行っているのにね。普通なら、こんなにアメリカ暮らしが長いのに英語で話せないなんて格好悪いじゃん、なんて思うと思うのだが、松山はそういうことをさほど気にしていないのだろう。逆にそこが強みなのかも。そういえば、昔僕のいとこがアメリカの大学に何年か研究留学してたときに、周りは外人ばかりなのに英語なんか全然話さなかったと言っていた。「まあ、日本語でも何とか通じるのよ」と言っていたが、あの人もたいがい鈍感っだったな。

松山の活躍により、今日明日はほぼ徹夜確定。ま、陸上もゴルフも今週で終わるので、以降は大丈夫だろうが。

で、そういうのが終わると、19日からはいよいよ最後のグランツール、ブエルタ・ア・エスパーニャが始まるのだ。これは3週間続くが、夜中の12時から1時くらいには終わるので大丈夫。

今週は、そのブエルタには出なさそうなメンバーでの4日間の大会がノルウェーの北部で行われている。これもJスポーツで中継を観るのだが、この季節なのに、山には雪が残り、針葉樹のうっそうとした森を縫っていく光景は普通のロ-ドレースでは観られない。昨日などは飛行機の滑走路でゴールスプリントが展開されたのだが、戦車が居並ぶ脇を通っていったところを観るとたぶん軍用基地なのだろう。そういうのも初めて見たし。

ブエルタでは、またもやフルームのチームスカイが強そうだが、ブエルタは基本山登りレース。登りに特化した選手が総合も善戦する可能性はある。とくに20ステージの最後は、平均勾配10度以上、最大23度以上、距離12キロ超の山岳が用意されている。フルームとしてはこのステージの前に優勝を確定させていないとまずいのではないか。

競馬では、今日、父フランケル、母ウオッカという、父母合わせて17冠という超良血馬がデビューした。断然の一番人気だったがあえなく2着。競馬は確かにブラッドスポーツではあるのだが、名馬から必ず名馬が生まれるとは限らない。これが人間だと、政治家のように、もっとひどいものなのとなる。

菅野所長のエッセイ:転校生と、君の名は


2017.08.04

梅雨明け以降、今年の東京の夏は意外に涼しく始まっている。先週末は松山にいたので尚更助かっているなあ。天気ニュースを見ると西日本はいつも5度くらい気温が高い。今週など寝るときにエアコンは不要だし、そういうことで、夏場に弱い僕も例年より体調はいい感じである。

しかし、ツール・ド・フランスが終わったので、次のブエルタが始まるまではちょっと退屈である。あと2週間くらいかなあ。リッチー・ポートやバルベルデには、故障を癒し、元気で出場してもらいたい。

原稿書きもほぼ終わってるし。そういえば世界陸上が始まるか。ボルトは勝って引退すると豪語してるし、日本の短距離陣がどれくらいやるのか、多少の期待はあるが。

サッカーでは、ネイマールがバルサを出る出ないで激震が走っている。出るとなると違約金280億円超が発生するらしいが、とんでもない数字だよね。ここまでこじれると移籍する可能性が大かもしれないが、その理由はパリSGに親友がいるかららしい。そんなことで何百億も払うものなのか。あとは、レアルのベイルがマンUに移籍という噂もあるが、ベイルは間違いなくプレミアに合うし、ルーニーなきあと、期待の若きエース、ラシュフォードとの組み合わせは必見だ。

そういえばケーブルに降りてきたので「君の名は」を観た。うーん、まず確かに絵はきれいだな。それと最初の30分くらいは面白い。アニオタ監督がうまい脚本を得たという印象。でも、これって大林宣彦「転校生」のほぼパクリだ。となると、どうしても観ながら「転校生」との比較が同時進行してしまう。後半の時間が交錯する仕掛けはどうにも整合性がなく、何だかよくわからんうちにハッピーエンド。

見終わった感想はやっぱり??? ま、絵がきれいなだけのいつもの新海作品。
むしろこれを観ることで「転校生」が再評価されるのではないか。あの頃はまだ世間の話題にも上らなかった性同一性障害という隠れた主題をはらみつつ、シンプルなつくりの中で淡い切なさを残した「転校生」は、振り返れば思春期映画の傑作だったんだなと思わざるを得ない。調べると1982年公開、35年前だ。GIDなんて概念は影もかたちもなかった。

同じ思春期映画であっても、あくまで大人の目線があるから面白みも深みも出るのだと思うが、新海作品にはそれがない。あるのはオタクのメンタリティだけ。「ガンダム」とか「エヴァンゲリオン」と同じだ。だから大人の鑑賞には耐えられないところがある。子どもが登場するアニメでも、ジブリ作品などはみな大人の映画だものな。

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