菅野所長のエッセイ:いきなり入院


2021.04.17

今週は何といっても松山のマスターズ優勝だろう。毎晩ほとんど徹夜で観たね。三日目の後半だけ寝落ちしちゃったけど。マスターズはいつもそうだが、今回は呼吸が苦しいのでそもそもあまり寝られないから好都合ではあった。

それにしても、まさか優勝とはね。最終日、一緒に回っていたザンダー・シャフレが追い上げてきたときにはこりゃもうダメかなと思ったが、そのシャフレが池に入れて大叩き。アップアップだった松山だが、敵がこけてくれたおかげでぐんと勝ち目が出た。思い起こすと、アメリカでの松山の勝利はだいたい相手がミスすることで決まることが多い。最初の勝利のとき、プレーオフの相手、韓国系アメリカ人のケビン・ナもそうだった。ケビン・ナはとても悔しかったと思うが、のちのインタビューで日本の記者に「僕が松山に初勝利をプレゼントしたことを忘れないでほしい」と笑顔でジョークをかました。

そのケビン・ナは、空港へ向かう車の中で松山の優勝が現実的なものになっていくのを知り、松山を祝福するためにゴルフ場にとって返したという。まことに彼らしいエピソードだが、このエピソードの中に今回の松山の優勝の大きな意味が示されているように思う。

それは最近のアメリカでのアジア系へのヘイトの問題である。時節的にはほぼ中国系に向けられているのだろうが、ほとんどのアメリカ人にとって、日本人、韓国人、中国人の区別など意味をなさない。そんな中、日本人のマスターズ制覇というニュースはとてつもないインパクトがあったのではないだろうか。それはケビン・ナにとっても、松山との個人的な関係を超えて大きな喜びだったのではないかと思う。それはケビン・ナだけでない。アジア人に限らず、多くのゴルファーが松山の優勝を祝福するために最後のグリーンサイドで待っていたが、丸山などとは違い、さほどアメリカツアーで親しまれているとも思えない松山であれば意外な光景だった。シ大木ャフレ、ファウラーなどそもそも日本と縁がある選手ならともかく、8年もいて英語もあまり話せず、積極的に交わろうとしない松山であるからね。それはやはり、PGAの選手たちもみなアジア人へのヘイトには胸を痛めていたんだろうと思う。松山の優勝はそうしたアジア的な意味が大きく、その意味でもビッグニュースだった。

 

で、ちょっときぶんよく次の日の診察に行けた。

肺炎か転移かという問題、閉塞急な気孔の問題と、僕にとってのビッグサタデーなのであった。

まず、朝イチでの血液検査、レントゲン、CTだ。その結果、影は消え去っていた。「ということは、ガンではなく、やはり肺炎だったのでしょう」と呼吸器内科の医者は、やっぱり予想通りという感じ。血液のたぶん白血球の値も問題なし。まずはよかったねえ。

続いて、本来の耳鼻咽喉科。すでに前の主治医はいなくて別の医師。患部を観て「ずいぶん狭いですねえ」と、ちょっとただ事ではない様子で、他の医師を呼んで確認を求める。しばらくごにょごにょと閉塞部をいじったあと、「今日入院できますか?」といきなり聞いてきた。え? 入院? そこまでじゃないだろと思いつつ、病院としてはこのまま放置して患者が窒息死でもしたら大変だと考えるのだろうなと、つい彼らの立場に立ってしまう。しかも、口がきけないとこういうときに弱い。入院できなくはないので、つい頷いてしまう。

しかし、そのままとは思わなかったなあ。一度、家に帰って準備したりできると思ったが、さにあらずである。着替えも何もない。いつまでなのかと聞くと、まず今週。その後手術する必要があれば長引くと。え? 手術? まあそこまではいかないだろうと思ったが、最悪な事態も覚悟した。最悪と言っても、時間が長引くだけのことだが。

 

で、三時には入院完了。もうあきらめてベッドに寝転がる。そうすると、さっき応急の手当てで気孔を拡げ、チューブを挿入したせいで、呼吸が楽になり、眠れること眠れること。このところ、ずっと苦しくて睡眠がままならなかったが、そのぶんまで眠れる。そこからの24時間で15、6時間は寝た。信じられん。年取ってからこんなに眠れたのは初めてだ。

 

入院の目的は気孔を拡げることなので、2日目は初日のチューブよりも太いチューブに代える。3日目はさらに太い。3日目が、1ヶ月前に僕がやっていた大きさである。で、そこまで行って、時間をおいてからさらに太いチューブにするとのこと。いちおう退院として、その外来の日にまた代えることになった。で、今日退院。べつに全部通院でもいけたけどね。まあ、いいか。一人でがんばってきたから、入院してると安心は安心だったし。火曜の朝から、土曜の昼まで、いきなりはまいったなあ。さらに、入院貧乏になるし。

 

まあ、いまのところ転移がなく、肺炎が治っただけでも大きな収穫と言えような。

 

今週は皐月賞だ。先週の桜花賞もソダシが勝って、3連複,3連単ともゲット。配当は安かったが・これでGⅠ2連勝。3連勝といきたいが、ちょっと難しい。天候がどうなるのかわからないからね。けっこうな雨が降るとか降らないとか。降らなければ、⑬タイトルホルダーの逃げ切り、逃げ残りで決まりと思ってたのだが・・・。晴雨兼用とみた⑦エフフォーリアを本命とせざるを得ないか。対抗は2頭。⑥ヨーホーレイクと⑬タイトルホルダー。これに⑧ダノンザキッド⑯レッドベルオーブ⑤ヴィクティファルス⑨ラーゴム①アドマイヤハダル①を絡める。それと⑬の単勝も。

 

 

菅野所長のエッセイ:ただいま苦戦中


2021.04.09

先週のGⅠ、ワグネリアンはやっぱり来なかった。これからは買うのはよそう。こういう心情になるのは、自分のことを憐れんでるからかなとも思ったしね。

別に自分を憐れんでる自覚はないが、今もまだ苦しい。実はチューブに頼らずに、自然治癒的に喉孔を治していこうと思い立ったのだが、やはり、そうするとトンネルが閉じよう閉じようとする。徐々に狭くなっていって、呼吸が怪しくなる。でも、これがいちばんいい方法だと思ってがまんしているうちに、そのうちチューブが入らなくなった。

そうすると、外出が大変で、必ずちょっとした緊急事態になってしまう。それで、職場にも行けない。実は、4月になって、第2週から発声訓練の教室が始まっているようなのだが、それにも行く自信がない。時間的には職場に行くよりも倍の時間がかかるのだ。家でおとなしくしているとまあ大丈夫なのだが。とりあえず、来週の診察日まで待ち、そこで方針を仰ごうということにした。いろいろ試したが、自力ではどうしても気道を拡げることはできないし。

 

しかし、自分の思惑とは違って、状況は相当停滞してしまっている。喉頭を摘出するとこういうことが多いのかどうかもよくわからない。どうするのが正解かも知らされていないし、自分で考えてもわからないな。不幸中の幸いは、そんなに悪化しているとは感じられないことかな。でも、トンネル内の出血は全然止まらない。

ま、こういうときは下手に動かないほうがいいような気もするのでね。

 

しかし、こういうことになって、味覚が大きく変わったように、物事の感じ方も変わったなあと思える。白血病から復帰した池江璃花子が五輪代表を決め、号泣していた映像を見て、ふつうならよかったよかったとか、よく頑張ったとか賞賛するんだろうが、このときの僕はうらやましいと思ったのである。うらやましいが7割、2,3割が賞賛かな。こんなのは初めてだ。

 

 

何だか弱気になってしまったな。でも、いいこともある。バッテリーが上がって放置していた車だが、友人に頼んでJAFを呼び、その足でディーラーに行き、バッテリー交換で回復、故障と思われたものも実はスイッチ一つで何とかなるものだったと判明した。しかも、車検がまだ1年半も残っているので廃車の線はあっという間になくなった。すべてはわざわざ来てくれた友人のおかげである。ありがたい。

 

しようがないか。まだ退院して3ヶ月も経たないもんな。希少ガンでの喉頭全摘だもんな。そう順調にはいかなくてもがっかりするほどじゃないと思わなくては。

 

で。池江璃花子ちゃんにはほんとに良かったと言いたい。大変だったよね。

だが、しかし、楽天の社長が言った。「がんばっているのはアスリートだけじゃない」と。五輪の中止を訴えるにこれ以上の言葉はないかも。特に東京の感染状況は,実は大阪以上に深刻かもしれないよね。都は真相をベールに包む。

競技によっては予選を中止しちゃってるし、ブラジルとか、フランスとかアメリカはそれどころじゃないだろうし。IOC対策としてやる気を装っているだけなら、大いに評価すけど、都知事は芸人の言動に注意をするし、五輪委は週刊文春に発売中止,回収を要求するわけで、あいかわらずマジにやってるんだからあきれるばかりだな。

 

ということで、当たらない競馬予想。でも、ワグネリアンさえいなければ先週はもっといけたのに。

今週は牝馬クラシック桜花賞だ。白毛のシラユキヒメ一族、一番人気④ソダシ。3着以内は外さないでしょ。相手は②ファインルージュ⑤アカイトリノムスメ⑧メイケイエール⑱サトノレイナスの4頭に絞って、3連複と、ソダシ1着固定の3連単。。

 

 

菅野所長のエッセイ:競馬交響曲


2021.04.03

2013年のダービー、東日本大震災の傷が癒えない世相を反映し、キズナという名の馬が大変な人気になった。こういうことはよくある。今年で言えば、「コロナ」なんて名前がどこかについたら、良くも悪くも話題になるだろう。昔、由香子さんという人が仕事終わりにナイター競馬に行ったところ、ハシレユカコという名の馬が出走してきたと言う。当然、その馬券を買うことになるのだが、こういう買い方をしてもそうそう来ない。ときどき何百万とかのトンデモ馬券を見ると、自分の誕生日にちなんだ人くらいしか買えないだろうと思う。世の中には、そんなふうに馬券を買う人もいて、それもまた良しだと思う。けど、僕は推理することを放棄はできないので,そういう買い方はしない。

のはずなのに、、、明日のGⅠ大阪杯の買い方で迷いに迷っている。明日は固そう。本命は⑦コントレイルで、相手は②サリオス⑫グランアレグリア⑧レイパパレくらいでいいだろうと思っていた。しかし、その後⑥ワグネリアンをどうしたものかと迷いあぐねているのだ。

なぜか? 二年前のダービー馬だから? 違う。僕がワーグナー好き? いや僕はモーツアルトだ。

 

ではなぜかというと、このワグネリアンという馬は、喉の手術を受けているのだ。競争馬は脚の故障が多いが、喉の故障というか病気も結構多い。走る馬にとって呼吸器系の故障はまずいので、手術する場合もある。先日知ったことには、ワグネリアンも喉の手術をし、その際に声帯も除去しているというのだ。僕と同じじゃないか。ワグネリアンも同じように、ヒヒンといなないたりできなくなってしまったのだな。

 

こんなことを知ったら応援したくなるじゃないですか、人情として。でも、前日で単勝56倍。8番人気くらいかなあ。まず、来そうもないんだよね。でも、ここは買わなきゃいけないでしょ、人として。

菅野所長のエッセイ:いろんな発見


2021.03.30

さて、かなり不定期にこのコラムは更新されているが、安定した状況になるまではこんな感じです。すみません。

肺の状態も、自覚的には何の変わりもない。抗生剤を飲んでいるが効いているのかいないのかまったくわからん。

 

先週末は、去年から決まっていたゴルフコンペ。もう30年以上続いているもので、しかも幹事なので、ここに参加できるかがひとつの焦点だった。

体力的に不安はあったが何とかリタイアもせずにやれた。でも後半は疲れたな。体力的な問題もあるが、時間を追うごとに呼吸が苦しくなるのがおおきいかもしれない。で、チューブにしてみるとだいぶ良かった。桜ももう満開という感じで気持ちよかったね。

 

夜、1月8日以来くらいに酒を飲んでみた。ビール、苦い。当たり前だが、口の中で苦みばかりが主張してくるので爽快感はほぼない。そこで梅酒を頼んでみたらまずますよかった。ラムもわりといい感じ。日本酒は、甘口というのがなかったので、まだ判定できない。いわゆる「辛口」はアウトだな。

 

ほかにもいろいろ発見があったぞ。わさび、からし、これがとても辛い。皆にしてみれば普通の辛さのようだが、僕にとってはとんでもなく辛い。本来は唐辛子はあまり得意ではないが、わさび、からしは得意なのだ。だから、刺身はもうひとつである。ならば、火を通したものはどうかと思ったが、あじの塩焼きは生臭かった。カンパチのカマ焼きも同じだ。肉では、ハンバーグを始め、シュウマイとか、挽肉が前面に出るものは生臭い。鳥肉はいいようだが、いわゆる「甘塩っぱい」味となると、辛さのほうを強く感じてしまう。となると、関西系のウナギの蒲焼きはいいんじゃないかと、ちょっと期待している。あとは煮物に期待かな。一月に千葉で、久々になかなか旨い金目鯛の煮付けを食べたのだが、あれをもう一度試してみたいな。ああ、それからチーズも大丈夫。旨いと感じる。味噌も別に辛いとは思わないから、発酵食品系はいいのかもしれない。

果物、スイーツ系はみなオーケーだが、最近では道明寺がものすごくおいしく感じる。

とにかく、苦いもの、辛いものがあまりよくない。総じて、子供の味覚に退化したという言い方もできるのかもしれない。でも、道明寺ばっかり食べるわけにもいかんしねえ。

 

 

そういえば、朝レンタカーを借りるときには緊張したなあ。近所の友人が急に来れなくなったもので、1人で借りて、1人でゴルフ場まで運転しなきゃいけなくなった。でも、何とかなったのでちょっとうれしい。1人でできることは、なるべくできるようにしないとな。どうしようもないことは助けてもらうけど。

 

うっかりしてたが、日曜はGⅠ高松宮記念があった。2番人気⑭ダノンスマッシュを大本命にしたら、馬単、3連複、3連単みんな取れたね。配当は低いけど。その前日には海外GⅠドバイワールドカップデイがあり、ここもドバイシーマクラシックのⅠレースだけ買ってきっちり当てたな。

今度はGⅠ大阪杯。コントレイルが大本命のようだが、今回はサリオスも対等の評価としよう。この2頭の1,2着固定の3連単でいこうかなと。

菅野所長のエッセイ:今週の空模様


2021.03.24

早くも桜が満開というこの頃だが、僕のほうはもうひとつパッとしない。

火曜日、先週のCTの結果を聞きに行ったのだが、肺に何やら影があるとのこと。血液検査での白血球の値も良くないと。「ガンではないと思うが、肺炎とか結核の疑いがある」と。えー。この年で肺炎とか大変じゃないかと思ったが、自覚症状としてはほとんどない。で、明日は呼吸器科での診察となった。空は花曇りだ。

それで、今日は呼吸器科へ。担当医師は快活な人で、レントゲンを撮ってから話をしましょうと言う。で、急遽レントゲンを撮ってまた問診。さすがは専門と言うべきか、だいたい把握している様子がうかがえる。それによると、肺炎なんだろうが、レントゲンはきれい。抗生剤を2週間飲んでいれば、CTも血液も問題なくなるでしょうと言ってくれた。いやあ、それが本当なら何とうれしいことか。曇りから晴れ間が見えた。

第一によいのは、転移が今のところ認められないことだな。主治医も「大きめに切りましたからね」とまた言ってた。バナナで言えば、傷んでるところをだけを切り取るんじゃなくて、その周りの傷んでないところも余分に取っちゃうということだ。慎重を期してね。なおかつ、近場のリンパ節まで切除してるんだからねえ。顎下の形状が変わったもんな。そのあたりの腫れもかなり引いたけど。

痰はあいかわらずだが、血がほとんど混じらなくなった。トンネルの中もだいぶ整備されてきたようだ。これは主治医の意思に反して、チューブの使用が功を奏している。この人は抗生物質も嫌いみたいなのだが、それも使ってくれていれば、予後はもっと良かったんじゃないのか? 肺の心配も要らなかったんじゃないのか?

まあいいか。今回の検査の結果がいちばん怖かったけど、最悪は免れたようだしね。あと2週間もすれば肺の状態もすっきりするということだし。早く発声の訓練ができるようになるといいなあと思うが、解除宣言する前からリバウンドが始まっていた様子で、まだこの先にビッグウェーブがあるかもしれないなあ。東京の感染数はまた増えてるし、陽性率もすごく高い。オリンピックをやるとなると、選手や関係者だけでも9万人が来日してくる。これまでの国や都の対処を見てると、とてもケアできないでしょ。とんでもない事態になりそうな気がする。とにかく中止しなさい。私益より国益を大事にしよう。

菅野所長のエッセイ:覚悟が足りない


2021.03.18

吉田式とかいうチューブのおかげで呼吸がずいぶん楽になった。それでも痰が詰まることはあるが、今のところチューブを取り外せばすぐに解決している。装着も簡便なのでありがたい。

しかし、私の主治医はこのチューブが好きでないようだ。喉孔に接して壁肉を刺激するので、いつまでも炎症が続いてしまうと考えている。たしかにそうかもしれないが、患者の側からしたら、窒息死の恐怖から逃れられるほうが大事ではないのか。これがないと、外出時、睡眠時には必ず大変なことになるのだ。僕が眠れない理由とは、必ず襲ってくる呼吸困難のせいで、吸痰器から離れられないことだ。だから、寝室には行けず、ずっと狭いソファで横になっていなければならない。しかも、横になって同じ姿勢を続けていると必ず気道が塞がってくる。悪循環だなあ。ところが、チューブだと気道が改善されるので、同じ姿勢でいられ、それが睡魔を誘う。とはいっても、1時間から2時間かな。連続して眠っているのは。でも、入院の時も同じだったからいい、僕としてはそれと同じくらいにはなりたい。

 

実は今日は職場に来ているのだが、家を出て3時間、いまだ呼吸に大きなトラブルはない。気道が詰まるようになってから、こんなのは初めてだ。これならだいぶ何とかなると思えてきた。

 

こういう苦しみを味わっていると、やはり自分自身で考え工夫することが何よりも大事だなと実感する。医者の言うことは正しいんだろうが、現実には合わないこともある。それに従っているだけじゃだめだな。小さい頃から親のいうことも教師のいうことも全く無視してきた僕なので、このあたりは自由だ。

 

人口喉孔には、孔の出入り口に人工鼻というものを取り付けるのが一般的である。でも、僕の場合ではこれは塞がりやすいな。だから、少なくとも外出時にはチューブのほうがいい。チューブだけでは乾燥しやすいという欠点もあるだろうから、今日はチューブを装着した上にこの人工鼻をセットするという奇策を用いている。こんなことは誰もしてないだろう。それから、喉摘者にとってシャワーはさらに危険で、そのとき用に装着する喉孔キャップがある。しかし、これを使ったとて、危険はいっぱいな感じでいつも苦しむ。そこで、普通の人工鼻の状態で、喉にしっかりとタオルを巻いて、そこにはお湯がいかないようにシャワーをしてみると、これがいちばん安全で楽である。やってみればもっといい方法があるかもしれない。

 

 

昨日CT検査だった。来週その結果を聞きに行くが、ちょっと怖いね。入院前や入院時、ガンの造影検査は6回やったけど、何だか今回が一番怖い感じがする。悪性か良性かのときよりも。手術が終わってもう安心と思ってしまったからなんだろうな。たぶん覚悟というものが足りなくなるのだ。もう少し安心感の時期を過ごさせてほしかったかな。まあ、「転移はありませんでした」と言ってもらえればいいのだが。しかし、それが終わっても次はPET検査が待ってるようだ。結局、悪性となると、この怖さは永遠に続くのかもしれない。一度幸せになるとそれを奪われるのが怖くなる。人の心は守りに入る。覚悟を補うようなこころの領域が沈下しちゃうのだな。

 

で、主治医も都合により替わるらしい。真面目でちょっと融通が利かない感じだが、好青年だったな。

 

 

僕が入院中にコロナの陽性者はずいぶん減ったが、またここへ来て下げ止まり、あるいはリバウンドとも言われている。ワクチンは2~30万人くらい? 塩野義製のは今年中でも間に合わないとか。ちゃんとした政策も打たずに宣言解除だけしてもろくな結果にはならないのでは?

で、こんな状態でもあいかわらずオリンピックを強行しようとするやつがいるんだから困るね。そう考える国民は約10%。反対が90%。だいたいずっと変わらない数字か。で、思ったのだが、これって戦争前の日本と似た状況なんじゃないの? 一部の軍人と戦争商人の蛮行で国をめちゃくちゃにしちゃう。今回も、一部の政治家と企業だよね。甘い汁を吸いたい人、引き下がれない人、これは名誉欲だな、総じて国益を考えない人、大局を見られない人ということだが。

菅野所長のエッセイ:自己との戦い


2021.03.14

やっぱりこういう病気は一筋縄ではないのだな。この1週間くらい気道の閉塞に苦しんだわけだが、金曜に病院に行って希望が持てるようになった。主治医ではないのだが、こういうときにはシリコン製のチューブを喉穴に差し込んで、気道が塞がらないようにする方法があるというので、早速これを採用。その後チューブのおかげで気道が確保され、窒息死の恐怖は去っている。このチューブが安定した気道をつくってくれるらしい。

この医師とのやりとりで興味深い話が合った。このところ気道が塞がるようになった原因は消炎剤が切れたからではないかと僕の考えを伝えると、医師は「それもあり得ますが・・・」と言いつつ、「塞ごうとするんだよね」と意味ありげなことを言うのである。そして、このような事例はよくあることらしく、そこからこれは自然の摂理なのではないかと僕は察した。つまり、手術によって喉頭に穴を開け、気道を確保することは生きるためには不可欠だけども、人工的なものには違いなく、プリミティブな身体や脳はこれを「傷」と認識しているのではないか。そしてその傷を塞ごうとするのではないか。

ああ、そういうことか。それなら仕方ないな。この苦しさも当然のことではある。困ったとこではあるが、僕の身体や脳は基本的に正しい道を邁進している。そしてこの僕は、生きるために、自分の身体や脳と戦わなくてはいけないのだ。比喩では「自分自身との戦い」というのはよくあるが、これは比喩じゃないぜ。まさに自分と戦うということだね。

それにしても、問題は僕の体や脳が、傷つけられた自分を修繕するためにがんばっているわけだが、がんばるほど僕の命は危険にさらされるというパラドクスだ。そのがんばりが自分の首を絞めると言うことをわかってほしいものである。まったくご主人と同じで頑固で融通が利かない。結局チューブで気道を確保するのは、そんなプリミティブな身体と脳に、これ以上いくら頑張ってもダメだと、あきらめさせるということだろう。これも生きるためだ。あきらめてくれ。

菅野所長のエッセイ:息苦しい毎日


2021.03.11

震災から10年。特集番組を観るたび、自分に降りかかった不幸など何ということもないと思うけど、実は、このところの状態はあまりよくない。

喉頭摘出を説明するのは難しいのだが、要は喉元に穴を開けて、そこと肺とを貫通させて呼吸の道とする。鼻と口の穴は気道と切り離され、胃とつながるだけの食道となる。でも、これは自然の摂理ではないからか、術後、この気道には多くの痰が発生し、それが呼吸を阻止するので、みな吸痰器というものにお世話になる。喉元の穴にチューブを突っ込んで痰を吸引するのだ。退院以来僕も毎日何回もやっているが、ひじょうに面倒くさい。

そしてただ面倒なだけならいいのだが、このところ痰が粘着性を帯び、塊にもなり、気道をどんどん閉塞させるようになってしまった。とても苦しく大変である。家でおとなしくしている分にはまだいいけど、ちょっと出かけるだけで必ず呼吸困難に陥る。今日もこれは消炎系の薬をもらおうと駅近くのクリニックに行ったが、往復20分ほど、後半半分以上はゼーゼーだった。明日は予約ではないが大学病院に行って窮状を訴えないといけないと思っているが、電車に乗りバスに乗るあそこにいくだけで不安だ。でも、これを何とかしないと、何もできないもんな。

シャワーを浴びるときも、冗談でなくもう命がけである。入院しているときも、シャワーの時は看護師が見張りにつくくらいで、肺に水が入りやすい喉頭摘出者にはとても危険なのである。もうとうぶんシャワーはやめとこうと思っていので、明日は水を使わないシャンプーというのを買ってこようと思っている。しかし、痰の粘着化を止めるのは自分の努力ではどうにも難しい。これで気道が塞がり、窒息するのではないかという不安があって、夜もほとんど寝てない。これって、抗生物質以外に解決の手段はないよねえ。ドクター、何とかしてくれ。

この問題が解消したら、いろいろと他のことを書こう。

 

菅野所長のエッセイ:困ることはあるけれど


2021.02.27

本来なら、今週から発声のトレーニングを始める予定だったのだが、コロナ禍にあって休講が続いているらしい。現状では、再開の見込みがあるのかどうかも疑わしいな。この分では、本格的な訓練は4月以降からかも。僕的にはちょっと誤算、痛手だ。まあしかたないけど。

 

話せないというのはやっぱり困るね。何でも一人でやってこれたのは、話せるからだったのだな。当たり前だから気がつかなかった。

たとえば、今車が故障中なのだが、自力ではこれをどうすることもできない。JAF、ディーラーに連絡できないからね。で、考えるに、このまま車を持っていても、一人で運転しているときに故障とかトラブルがあったらどうにもできないことがわかる。それを思うと、廃車がいいかも。ま、25年以上乗っているオンボロなんでちょうどいいかもしれない。

 

僕としては、話せないこと自体にそれほどネガティブな思いを抱いてはいない。これについては、自分の予想以上に平気、術前、術後とも同じくきちんと受け入れている。でも、生活レベルでの困りごとには閉口だ。車の問題は悩ましい。

 

まあ、長期戦という設定にするしかないな。予定ではたちまちのうちに発声をマスターして不便を解消しようと思っていたけど、ここにもコロナの壁があったか。でも、喉摘者(喉頭摘出者の略)にはあまり関係ないんじゃないの?

 

 

ところで、退院後初めて外来診療があったが、まあまあ予後は順調らしい。でも、近々またもやCT検査をするというのが意外だった。手術後、一月以内に転移の有無を確認するなんてね。やっぱり、それだけ僕のガンは危険なものなんだなと実感する。普通のガンは3年から5年後に転移がなければオーケーというものだが、僕の場合は術後2年間が危ないみたい。発見自体は「早期」だったが、ガンの種類と場所からいうと「3期から4期」ともいえる、というのが主治医の見解だったからね。さっさと摘出を決断したことが吉と出てほしいものである。

 

 

体の方はちょっと体力が戻っているような気がする。電車に乗るのは疲れるけど。食べるほうは順調で、いろんなものが食べられるようになった。すごく固いものは敬遠しているけど。それから、パンとか、水気のないものは嚥下に苦労する。喉奥に詰まっちゃうのだ。そんなだから、食べる愉しみっていうのはなくなったかな。お酒もまだ一滴も飲んでないな。そういうのはちょっと先にとっておこう。

 

当面は、原稿依頼があったので、これを楽しく仕上げることかな。締め切りは9月だが、その気になれば1週間くらいでできそうだ。20枚じゃそんなもんだぜ。下手すると1日。でも、できるだけ楽しみたいので時間をかけよう。

とにかくこんな状態でもできることをやっておこう、できるだけ。

 

 

 

 

菅野所長のエッセイ:シャバを歩けば


2021.02.19

月曜に退院してはや週末。やっぱりシャバの空気はいいなあ。

月火と静かに休んで、これなら大丈夫かなと、水曜日は職場に行って挨拶と郵便物の整理などをする。帰りに練馬駅近くをめぐって、メンテナンスに必要なものを買おうと思ったが、言葉が出せないと買い物ひとつもひじょうに大変だとわかる。スーパーとかコンビニなら楽なんだけどね。電車に乗ったり、たくさん歩いたりでかなり疲れたので、役所に行くのは中止にした。3週間、ほとんど寝るばかりの生活だったからな。体力が相当なくなっているようだ。それと時間がたつごとに、喉穴が痰で狭くなるので、呼吸が苦しくなるんだよね。疲れるのはそれも影響してるような気がする。

1週間もたてばわからないが、複数の用事をこなすというのも今はきついな。

 

 

木曜もちょっとした買い物と役所へ。区役所には障がい者申請のためだ。喉頭全摘手術をすると、自動的に障がい者3級となり、申請するかどうかは自由だが、僕としては自分が障碍者になるということをリアルに経験したかったので、手帳をいただくことにした。手続きは案外簡単で、1か月後には手帳が郵送されるそうだ。

 

夜になると、どうも腰から下、それも裏側が痛い。これはあれだ。去年11月にやった坐骨神経痛だな。あのときよりは痛くないが、なかなか眠れない。ということで、今日は午前中に整形外科クリニックに行って薬をもらう。ついでに、泌尿器のクリニックにも立ち寄る。どちらでもあらかじめ今回の経緯を書いておいてそれを読んでもらうのだが、こうしておくと話は早い。泌尿器科では、頻尿や血尿は手術の影響なので仕方ないと、時間とともに回復すると言われた。僕としては半信半疑といったところだ。確かに徐々に良くなっているのだがね。

 

 

今回の坐骨神経痛は大したことなかったからいいし、前立腺のダメージも回復の兆しがある。しかし、もしも、去年の11月の時みたいに、ピンチのときはどうしたらいいんだろう。いざというときに電話が使えないというのはとてつもなく不利な状況だなと、ここへきてひしひしと理解できた。ただの「不便」じゃないよな。最初は障がい者なんて大げさかなと思わないではなかったが、やはりそれに相当するなあとも思うのである。

で、なかなかスタートに立てない発声の訓練だが、今週はこんな状態なので来週からだな。まずは見学らしいけど。

 

 

今週は今年初のG1フェブラリーステークスだ。入院中は負けてばかりだったが、今回はグリーンチャンネルを見ながら挽回したい。

入院費なんかですっかり貧乏になったしね。何とかしないと。③カフェファラオ⑥アルクトス⑨サンライズノヴァ、3頭巴の3連複。相手は①エアアルマス②インティ⑦ワンダーリーデル⑩エアスピネル⑭オーヴェルニュ⑯レッドルゼル。それと③⑥⑦⑨⑭のボックス。